種(タネ)を発芽させる条件は〇〇

2021年4月18日(日)

種(タネ)を発芽させる条件は〇〇




こんにちは、モリモリです。
さて、今日は種(タネ)のお話です。



タネは生物学的に言えば、子孫を次代につなぐための産物です。私たち人間は、植物たちが、次代に生きようとする力を活用しサポートすることで作物の収穫を目指すのです。




発芽の条件

発芽には3つの条件があります。それは「温度・酸素・水」です。タネは生き物ですから空気が無いと生きられません。乾燥状態ではタネは休眠をしていますので、適度な湿り気があることで活動を開始します。意外かもしれませんが、発芽に太陽光は必須ではないのです。



ピラミッドから数千年も前の乾燥したタネが発掘されて、発芽したことがあるようです。乾燥することで休眠状態になったのでしょう。
タネにはそれぞれ発芽に適した温度があるので、発芽温度に合わせて種まきをします。自然界では季節が巡ってくるとタネも発芽をするようになります。春先に雑草が一斉に生えだしてくるのはこのためです。作物の苗を作るとき冬場は温度が低くて、発芽しませんので、人工的に温床をつくって発芽をさせます。



私は以前にニンジンを真冬の時期に種まきしたことがあります。
穴あきマルチに3粒づつ播き、その上に不織布をかけ、さらにビニールシートで覆いました。種自身の生命力に期待したところ、およそ30%程度の発芽率でした。



2週間おきに複数のニンジンを蒔いてみましたが、明らかに3月に入ってからの発芽率の方が高まってきていました。発芽適温はそれぞれの種が備えている発芽の条件です。




種の寿命

ピラミッドの休眠から覚めたタネは発芽したようですが、条件良く休眠に入ったからです。タネには寿命があるので新しいタネの方が発芽率は高くなります。



ネギやタマネギは1年~2年弱が寿命のようですので古いタネは発芽しにくくなります。3年前のパセリは全く発芽してきませんでした。冷暗所での保管を推奨されていますので、私は冷蔵庫での保管をしています。



発芽した後の元気度合いも、今年のたねと1年前のタネとでは明らかに違うようです。トマトなどは茎の太さが違ってくるので、やはりタネとしての寿命が大きく影響しているといえます。特に芽を出してからの成長の勢いに大きな違いがあります。





発芽しやすいタネと発芽しにくいタネ

そもそもニンジンは発芽しづらいと言われています。3条件の中でも特に水を必要とするうえに、タネの皮が硬くて水を通しにくく、さらに発芽に光を欲するという性質も加わるからです。


種皮が硬いタネは、ニンジンの他にもホウレンソウやレタスなどがあります。逆にアブラナ科の種子は丸っこくて発芽がしやすいものになります。適期に種まきすると1週間もあれば順調に発芽をしてきます。アブラナ科の種まきは、やや控え目に種まきをすると良いでしょう。間引きが大変になりますから。


植える深さに注意

タネを植える深さは、一般的にはタネの直径の3倍くらいといわれています。深く植えすぎると発芽しないことがありますので、飛ばされない程度に土をかけるくらいが良いと思います。



タネの上に土をかぶせることを覆土(ふくど)といいますが、ニンジンやレタスのように光を好む種子はほとんど覆土をすることはしません。タネを蒔いたら圧着し地面の土と密接に接しておくことが大切です。こうすることで土の水分がタネに浸透をしていきます。



豆類のように水分を含んだ大きい種子は、深植えをしすぎるとタネが腐ってしまうことがありますので注意しましょう。



発芽までに気を付けること

播種(種まき)→圧着(土被せ)→潅水(水やり)が種まきの3ステップです。
発芽するまでは温度・空気・水の3条件を切らさないようにしましょう。とくに乾燥には注意です。粘土質の土壌でいったん乾燥して土が固まってしまうと水をかけても却って塊のままになり発芽しずらくなります。タネはまず根っこを伸ばし土中の水分を吸収して成長していきます。根の次に芽です。



発芽の遅いタネは2週間、或いはそれ以上たっても芽をだしません。
今年のナスは2週間でようやく顔をだしました。パパイヤは一つだけ顔を出し始めまただけです。すでに1か月以上もたっています。発芽適温よりも低かったことが原因でしょう。



我が家は床暖房があるので、部屋に段ボールを敷いてプチプチを箱の中に入れた上にポットを置いています。さらにクリーニングで衣服を包むビニールで巻いて保温をさせています。3月も中旬をすぎれば暖かくなってきましたが、早い時期からの苗づくりは保温にもっとも気を使います。人間のエイジングケアにも似ていますね。



タネを休眠状態から目覚めさせてから、適温状態において一気に伸びるようにお世話をすることが大事かなと思います。


口に含んで植える?




ところで、野菜の種子を口に含んで植えるという話を聞いたことがありますか?口腔常在菌をタネに移してから発芽させるためだそうです。これで自分にあった作物ができるという説があります。



常在菌は人間の体にあるものだから皮膚でも良さそうに思えますがどうなんでしょうか。逆に、苗を植えるときには根っこを素手で触らないようにと注意を受けたことがありますので、真偽のほどは定かではありません。



ですが、昔からある説なので、家庭菜園等で試してみるのは面白いかもしれません。なお、タネによっては薬で種子の表面をコーティングしているものもありますので、口に含む際には十分注意した上で自己責任でお願いします。



というわけで、今回はタネと発芽の話でした。それではまた。

ブログ記事一覧に戻る
関連記事