【第2回】食料危機? そして農耕への憧憬


コロナで食料危機が起こる?

現在の状況を確認してみると、「コロナ対策→経済停滞→リストラ加速」が進み、国連世界食糧農業機関(FAO)は「恐慌の予兆→食料危機への連鎖」の警鐘を発し、WHOやWTOも同様の懸念を表明しており、実際にロシアは小麦、ベトナムは米、インドは米と小麦の輸出制限を始めています。近年のグローバル化した世界では、2007年の石油価格高騰によってバイオ燃料へのシフトが起こり、トウモロコシの価格高騰と栽培シフトを招き、米と麦も連鎖高騰するという苦い教訓を経験しました。

かなり危険な日本の食料事情

今日では、世界の農業生産は大規模・AIによるスマート化が進展し、主要食糧の量の確保(各国の流通問題は別として)については、テクノロジーによる一定の解決策の方向性が見えつつ有るかと思いますが、賃金の低廉な外国人労働者を作業の担い手とするグローバル化も、負の側面として生じています。日本では、先進各国に比べて農業の大規模化が進まず、小規模農家では外国人研修生という労働の担い手が大きな存在となり、農地を継承する子息の減少が著しい。その結果、食料自給率は37%(カロリーベース)で、主要輸入元の米国からの輸入が途絶えたら...


ここまでは、マクロの話です。それに対する考察は別の機会に譲り、MFC(美園ファーマーズ倶楽部)によるミクロの考え方や取り組みの「憧憬」について、次回はお話をしたいと思います。

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