参加者体験談(雑草取り)

2021年6月5日(土)

参加者体験談(雑草取り)


こんにちは!美園ファーマーズ倶楽部の紅緒です♪
MFCでは年間を通じて埼玉県さいたま市の通称見沼田んぼと言われている一帯の中の浦和美園地区を拠点に、体験農業を開催しています。


嬉しいことに参加者の声として体験農業の感想を頂いたので、ちょっとずつ記事にしていきたいと思います!今回は雑草取りの体験談です。


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雨が数日続いた後のよく晴れた日曜日。畑は緑にあふれていました。何もかもぐんぐん育っています。今日は、ジャガイモの芽かきをしました。ジャガイモのボコボコヘコんでいる所から芽が出るのですから、3つ4つに分割して植えても、3〜5本芽が出てきています。



太くて生命力がありそうなものを残して、1株3本くらいにします。成長が遅いわき芽を選んで抜きます。栄養を集中させるわけです。種芋を手で覆うように根元をしっかり押さえて、細いわき芽を抜きます。同時に、周りの雑草も抜いて、肥料を根元の土になじませます。




一回の作業で同時進行です。そして、ジャガイモの株にとって居心地のよい環境に整えてやります。こういう単純作業は、いつのまにか没頭してしまいます。話しかけられて、没頭していたことに気づく始末です。こういうのを「マインドフルネス」って言うのでしょうね。周りの景色や音から遮断されたような感覚。ただただ、ジャガイモの根元と向き合う世界です。



そうやってジャガイモの根元を覗き込んでいると、ジャングルに迷い込んだ小人になった気分です。葉をかき上げると、慌てたように虫が出てきます。ジャングルの住人との遭遇です。元々そこに住んでいた先住民。ここに私達の都合で、ジャガイモの居場所を作り、勝手にごそごそしているわけです。だから、虫を追い出すなんて人間の勝手な行動ですね。



ブチブチ引き抜いている雑草だって固有の草なのです。人間がここにジャガイモを植えたから、ここで育ってほしくないだけで、この草に本来罪はありません。




「雑草という草はありません。」昭和天皇が言ったそうです。「どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草として決め付けてしまうのはいけない。注意するように。」と。



雑草とよばれる草も、今の場所にたどりつき、一生懸命ここで生きようと、子孫を残そうとしています。たどりついた所で自分ができる成長をするだけ。抜かれるとしても、今目の前だけを見て。隣の空き地に飛んでいった仲間を、うらやんだり文句を言ったりすることもなく。真面目に一生懸命。地面にしっかり根を張った、名も知らぬこの草。偉いなー、と感心します。でも、手は休まず抜き続けてしまうのですが。




おいしいジャガイモが食べたいし。本当ごめんなさいね。次はきっと、畑じゃない所に芽を出してね。人間は勝手な生きものです。

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