七草粥とは?家庭菜園好きのための春の七草ガイド(作り方・育て方・保存まで)

2026年1月7日(水)

七草粥とは?家庭菜園好きのための春の七草ガイド(作り方・育て方・保存まで)



この記事で分かること

七草粥の意味と食べ方の基本、春の七草それぞれの特徴、家庭菜園(ベランダ含む)での再現方法、失敗しない作り方、保存とアレンジまでを、野菜好き・家庭菜園好き向けにまとめます。

七草粥とは?1月7日に食べる理由と、菜園好きがハマる魅力

七草粥(ななくさがゆ)は、1月7日に「春の七草」をお粥に入れて食べる行事食です。お正月のごちそうで疲れやすい胃腸をいたわり、冬に不足しがちな青菜をやさしく補う、季節の知恵として続いてきました。

家庭菜園や野菜が好きな方にとっては、七草粥は単なる風習ではなく「冬の小さな葉ものを味わい分ける日」にもなります。収穫の達成感とは別に、若菜の香り・苦み・食感の差がはっきり出ます。炒める・煮込むのではなく、最後にさっと入れるだけなので、野菜の個性が残りやすいのもポイントです。七草を全部そろえなくても、香りのある青菜+根菜の葉(カブ葉・ダイコン葉)だけで雰囲気は十分作れます。ご自身の菜園の間引き菜を混ぜるだけでも「育てた野菜で迎える1月7日」になります。

春の七草とは?まずは一覧で全体像をつかむ

春の七草は、セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロの7つです。

スズナはカブ、スズシロはダイコンのことですので、家庭菜園をされている方には特に身近です。七草セットに入っている葉は小さいですが、刻んで粥に散らすと香り・歯ざわり・苦みが少しずつ違い、意外と「違いが分かる」ようになります。ここからは、それぞれを厚めに解説します。

セリ(芹):香り担当の主役。七草粥の立ち上がりを作ります

セリは七草の中でも香りの存在感が大きく、七草粥の第一印象を決めやすい食材です。爽やかな青い香りが立ち、口に入れた瞬間に「七草粥を食べている感」が出ます。

選ぶときは、葉がしおれていないこと、茎が黒ずんでいないことが目安です。根元が水っぽく傷んでいると香りが落ちやすいです。洗うときは泥が残りやすいので、根元を軽く指でこすり、ボウルの水で振り洗いを2〜3回行ってください。

調理のコツは火を通しすぎないことです。セリは加熱で香りが抜けやすいので、刻んだら最後の最後に入れるのがよいです。家庭菜園目線で代用するなら、三つ葉が最も近いです。セリほど野性味は出ませんが、香りの役割は十分果たせます。小ねぎは方向性が違いますが、香りの立ち上げには使えます。

ナズナ(薺):野草っぽい辛みと風味で輪郭を作ります

ナズナはいわゆるペンペングサとして知られ、七草の中では「野草感」を担う存在です。ほのかな辛み、草の風味があり、粥の味がぼやけないように輪郭を出してくれます。

七草セットでは量は少なめなことが多いですが、むしろそれがちょうどよいです。入れすぎると野草の主張が強くなることもあるため、最初は少なめで十分です。

家庭菜園で完全再現は難しいですが、近い役割としてはルッコラをほんの少し、あるいはカブ葉やダイコン葉の若い部分を混ぜて「青さ」を足すのが現実的です。辛みが欲しい場合は、七味ではなく“野菜の辛み”で寄せると菜園的に楽しいです。

ゴギョウ(御形):ほのかに香ばしい、やさしい香りを足します

ゴギョウはハハコグサのことです。七草の中でもクセが強すぎず、草っぽさの中に少し香ばしさを感じるタイプで、全体の香りのバランスを整えてくれます。主役というより、香りの厚みを出す裏方です。

七草粥は淡い味なので、こうした“わずかな香りの差”が意外と効きます。ゴギョウが入ると、香りが一本調子にならず、奥行きが出ます。

入手が難しい場合の代用は、ベビーリーフや柔らかい葉ものを少量混ぜて「葉の層」を増やす発想が近いです。香りだけを完全再現しようとすると難しいので、食感・青さ・香りの総量を整える目的で置き換えると失敗しにくいです。

ハコベラ(繁縷):クセが少ないつなぎ役。口当たりを整えます

ハコベラはハコベ(コハコベなど)のことです。七草の中でも比較的クセが少なく、食感をやわらかくまとめてくれる存在です。七草粥で重要なのは「香り担当」だけではなく、全体を食べやすくするつなぎ役です。ハコベラはまさにそれです。

家庭菜園で近い役割を担えるのは、ベビーリーフ、間引き菜、柔らかい小松菜の若葉などです。特に間引き菜は、やわらかさと青さがちょうどよく、七草粥に入れると一気に「菜園の味」になります。

ハコベラ自体は野草ですが、味が穏やかな分、野草が苦手な方にも比較的受け入れられやすいです。

ホトケノザ(仏の座):ほんのり苦みで締まります。入れすぎに注意です

七草のホトケノザは、食用の「コオニタビラコ」を指すことが多いです(道端のホトケノザとは別扱いになる場合があります)。七草粥での役割は、ほろ苦さによるアクセントです。苦みが入ることで、粥が甘だるくならず、後味が締まります。

ただし、苦みは好みが分かれます。野草に慣れていない方やお子さんが食べる場合は、量を控えめにすると失敗しにくいです。もし苦みが強く出すぎた場合は、梅干しや卵で丸めると食べやすくなります。

代用として苦み担当を作りたい場合は、春菊の若葉をほんの少しだけ入れる方法があります。ただし春菊は香りも強いので、入れすぎると七草のバランスが崩れます。小さじ1杯分レベルの少量から試すのが安全です。

スズナ(菘):カブ。根の甘みと葉の青みで安心感が出ます

スズナはカブのことです。七草の中で最も家庭菜園と相性がよく、育てやすく、手に入りやすい食材です。七草セットに入っているカブは小さめですが、葉と根の両方が使えるのが強みです。

カブの根は甘みがあり、七草粥の味をやさしい方向に寄せてくれます。葉は青みがあり、香りが強すぎないので全体のベースとして優秀です。七草粥が初めての方ほど、カブが入ると食べやすく感じやすいです。

家庭菜園での楽しみ方は「間引き菜」です。カブは発芽が早く、間引きのタイミングで出る小さな葉が七草粥にぴったりです。立派に太らせなくても、若葉だけで価値があります。土がつきやすいので洗いは丁寧にしてください。根元の葉の付け根に泥が残りがちですので、ここを重点的に洗うとよいです。

スズシロ(蘿蔔):ダイコン。さっぱり感とみずみずしさで後味を整えます

スズシロはダイコンのことです。カブが甘みで包むなら、ダイコンはさっぱりで整える役です。根の部分は辛みが出ることもありますが、七草粥に入れる量なら爽やかな方向に働きやすいです。

注目したいのは葉です。ダイコン葉は栄養豊富で香りもあり、家庭菜園をされている方にはおなじみの優秀食材です。七草粥では、硬い葉脈や茎の部分は避け、やわらかい葉先中心にすると食べやすくなります。

家庭菜園で育てたダイコンは、間引き菜のタイミングが最適です。若い葉はえぐみが少なく、粥に入れると青さがきれいに出ます。収穫後の葉は乾きやすいので、使うなら早めがベストです。残すなら刻んで冷凍してもよいです(香りは落ちますが、青菜として便利です)。

七草セットの選び方:鮮度で味も香りも決まります

スーパーの七草セットは便利ですが、鮮度で当たり外れが出やすいです。チェックポイントは、葉先がピンとしていること、変色が少ないこと、水分でべちゃっとしていないことです。袋の内側に水滴が多い場合は蒸れて傷みやすいです。

買ったら袋から出し、湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室に入れてください。できれば当日中、遅くとも翌朝には使い切るのがおすすめです。直売所で七草そのものが手に入らなくても、セリ・カブ葉・ダイコン葉・やわらかい青菜が集まれば十分に七草粥の体験は作れます。

家庭菜園で再現する:七草の代わりに使える葉ものの組み合わせ

七草を完全再現しようとするより、役割で置き換えると成功しやすいです。おすすめは「香り担当+やわらか担当+根菜の葉」を意識することです。

香り担当:セリ、三つ葉、小ねぎ(少量)

やわらか担当:小松菜、ほうれん草、水菜、ベビーリーフ、間引き菜

根菜の葉:カブ葉、ダイコン葉

苦みアクセント:春菊の若葉(極少量)

この設計で作ると、七草が揃わない年でも、毎年ブレずにおいしく作れます。家庭菜園の収穫状況に合わせて調整できるのも強みです。

ベランダ菜園でも間に合う:1月7日向けの若菜栽培アイデア

七草粥に向くのは立派な株ではなく若菜ですので、ベランダ菜園でも現実的です。特にカブとダイコンの間引き菜は、発芽が早く、育てるハードルが低いです。

冬は生育が止まりやすいので、日当たりを最優先し、冷えすぎる夜は簡易カバーで守るとよいです。大きくしようと欲張らず、葉がやわらかい段階で収穫するのが七草粥向きです。葉ものミックス(ベビーリーフ用)を少量育てておくと、年末年始の食卓でも使い回せて便利です。

失敗しない七草粥の作り方:香りを残すための基本手順です

七草粥は「七草を煮る」より「香りをのせる」が正解です。火を入れすぎると香りが飛び、青菜がくたくたになって食感も単調になりやすいです。

材料(2人分の目安)

・ごはん 茶碗2杯分(冷ごはんでも可)

・水 ごはんの3〜4倍(好みで調整)

・塩 ひとつまみ〜少々

・七草(または代用青菜) ひとつかみ

作り方

1)鍋にごはんと水を入れ、ほぐして中火にかけます。沸いたら弱火で10〜15分、好みのとろみまで煮ます。

2)七草は洗って水気を切り、細かく刻みます(根元に土が残りやすいので注意してください)。

3)七草を入れる前に塩で味の土台を作ります。ここが薄いと青菜の味が立ちにくいです。

4)火を止める直前〜止めてから七草を入れ、さっと混ぜます。青みが残るくらいで完成です。

補足:2段階投入が便利です。カブ葉・ダイコン葉など火が通りにくい葉は少し早め、セリや三つ葉など香り葉は最後に入れてください。

家庭菜園の葉が土っぽい…を防ぐ洗い方のコツです

間引き菜や七草は小さいぶん土が残りやすいです。基本は、ボウルの水で振り洗いをして水を替える、を2〜3回繰り返します。根があるものは、根元の隙間に泥が入りやすいので、指で軽くこすって落としてください。

長時間水につけると香りが抜けやすいので、洗いは手早く、刻むのも食べる直前が理想です。

七草粥の味変:家庭菜園の端材活用までつなげます

七草粥は淡い味ですので、少しの追加で印象が変わります。翌日に残ったときも、菜園の余り野菜を足して雑炊に寄せると満足度が高いです。

・すりごま:香ばしさと栄養感を追加できます

・梅干し:酸味で輪郭が出ます

・味噌をほんの少し:汁もの寄りになり、食べごたえが上がります

・卵:溶き卵でまろやかになります(お子さん向けにも良いです)

・きのこ少量:香りが増して満足感が出ます

余り野菜を使うときは、繊維が硬い部分(小松菜の芯など)は細かく刻むと食べやすいです。

よくある質問:七草がない・子どもが苦手・保存はどうしますか?

七草が揃わないときは、香りのある青菜+カブ葉/ダイコン葉で十分です。完璧主義にしないほうが、毎年続けやすいです。お子さんが苦手な場合は、苦み担当(ホトケノザ系)を控えめにし、卵や梅で丸めると食べやすくなります。

保存は当日中が理想です。残すなら冷蔵で早めに食べ、温め直しはしっかり行ってください。水分が飛んで固くなったら、少し水を足してゆっくり温めると戻りやすいです。

まとめ:七草粥は買う行事食から育てる行事食に変えられます

七草粥の良さは、胃腸へのやさしさだけではなく、冬の若菜を味わい分ける楽しさにもあります。家庭菜園が好きな方なら、七草を全部そろえなくても大丈夫です。カブやダイコンの間引き菜を1つ入れるだけで「育てた葉で迎える1月7日」になります。

来年は年末に小さな鉢で若菜を育てて、七草粥に混ぜてみてください。行事がただの習慣ではなく、菜園とつながる体験に変わります。


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