菜の花のことをどれだけ知っているかい?

2021年5月4日(火)

菜の花のことをどれだけ知っているかい?



こんにちは、モリモリです。
今日は「菜の花」についてのお話です。菜の花といえば川沿いや土手に一斉に咲きほこるイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?今日はそんな菜の花の「秘密」をお話したいと思います。この記事を読めば菜の花についてうんちくを語れるかもしれませんよ。


〇菜の花の味わい

春先に“菜花”が出回ると春がやってきたという感じがします。ツンとした独特のほろ苦さを味わうと、懐かしい記憶がぐるぐる蘇ります。息子に、からし醤油の菜花をご馳走したところ、苦いといってあまり口にしませんでした。


私は、菜花の味をいつ憶えたのだろう・・・。日本人特有の味覚にマッチしているのかと思っていたのですが、子供の頃に食卓に載っていた味なのかもしれません。


というように、春先になると菜の花を摘んで季節の食材として味わうという方も多く、菜の花自体を知っている人は多いのではないでしょうか?ですが意外にも知られていないのは、そもそも菜の花は「なんの植物の花」なのかということです。皆さんは知っていますか?





〇菜の花とは?

実は菜の花にはかなり多くの種類があります。


高菜、からし菜、カキ菜、つぼみ菜、アスパラ菜、チーマディラーパ(西洋菜花)、白菜、水菜、小松菜、ブロッコリー、のらぼう菜等、アブラナ科の野菜たちがつぼみを付けて黄色い花を咲かせます。黄色い花を咲かすのは主にアブラナ属の仲間で、これらを総称して「菜の花」といいます。


“菜花”はそのうち、早春に花蕾を収穫する食用にしたものの名称で、品種として種子の販売もされています。美園ファーマーズ倶楽部の畑へ向かう河川敷には、3月~4月上旬にかけて、一面黄色の花が咲き乱れます。子供の背丈ほどの高さになり、その中を遊歩道が通っています。アブラナ属に分類される品種は交雑がしやすいらしいのですが、河川敷の黄色い花は固定化しているのではないでしょうか。




〇菜の花の味の違い

食用菜花は独特のほろ苦さがあるのが特徴です。苦みを味わうので、酢醤油などでシンプルに食べるといいでしょう。多くの菜の花類は、わずかな辛味があります。イソチオシネアートという辛み成分です。一度にたくさん食べると、鼻にツンと抜ける感じがします。からし菜は辛味が強く頭がガンガンしてきます。


野沢菜は漬物として発酵させて食べますので中間位の感じがします。だいこんの菜の花は意外と辛くないという印象です。白菜の菜の花は逆に甘みすら感じます。畑の収穫が追い付かないでいると、あっという間に花を咲かせてきてしまいますので、撤収前に味比べをしてみるのも良いでしょう。


家庭の食卓にもよく出る水菜、小松菜、ブロッコリーなどは菜の花を咲かせるということを知らなかった方も多いのではないでしょうか?水菜や小松菜は家庭菜園でも気軽に育てられますので、試してみてはいかがでしょうか。


もちろん、美園ファーマーズ倶楽部の畑でも、菜の花を咲かせる野菜の栽培体験をやっています。今年はブロッコリーの菜の花が綺麗に咲いていました。




〇おススメの食べ方

菜の花を食べる時期は、開花する前の蕾の段階の方が美味です。黄色い花は飾り程度で付けるのが良いと思います。ただ、花粉症の人は気を付けてください。
一般的に花粉をそのまま体内に取り込むとアレルギーが進む可能性があります。


私は、花粉を食べることで、体質改善を進めましたが、この時に利用したのは虫媒花粉です。虫たちが集めた花粉を利用して免疫を作りました。一方で風媒花粉はそのままではアレルギーを引き起こすと考えられているようですので、直接体内に取り込むのはリスクがあるかもしれませんね。


〇菜の花の用途

菜種油は、アブラナのタネを絞って油を抽出したものです。油を搾った残りは、油粕として肥料にします。油粕は遅効性ですので、有機栽培でじっくりと効かせるのに重宝します。


一方で、土中でネキリムシたちのえさになって虫害が多いといって嫌う人もいます。糠も同様の傾向があるようですが、気温の高い時期には気にするほどのことはないでしょう。


カラシ菜のタネからはマスタードを作ることができます。食用部分以外も砕けば緑肥にすることができます。辛み(グルコシノレート)成分が土壌の病原菌低減に効果があるようです。




初期の畑の土壌改善の際に、れんげ、からし菜、麦を使って赤・黄・緑の畑アートを作ったことがあります。緑肥として土中に漉き込むのであれば、開花前の辛み成分が最大で茎も硬くならないタイミングが最も効果的のようです。


私の場合は一石二鳥も三鳥もねらう欲張り農法ですから、基本よりも応用して楽なように兼用しています。すなわち、食用、鑑賞、緑肥、雑草防止・・・などなど、です。アブラナ科の作物は発芽もしやすいし連作障害も出にくいので、育てやすい作物です。いろいろな用途開発を考えながら楽しんでみるのもよいでしょうね。


春先であれば、1月下旬からビニールトンネル栽培で育てられます。3月になれば発芽も成長もぐんと早くなります。関東では10月下旬くらいまでに種まきをすると年内に葉物として食べることができます。それ以降は放置しても凍害でしおれてしまうでしょう。ビニールをかけて越冬させれば花芽が付くかもしれません。


是非、アブラナ科に属する仲間たちを好きになってみてください。
というわけで、今日は菜の花の話でした。
それではまた。

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