鍬(くわ)の使い方

2021年4月25日(日)

鍬(くわ)の使い方

こんにちは、モリモリです。
今日は鍬(くわ)の使い方についてのお話です。


クワを持つのが初めてという方と、農作業を行う機会が多くあります。
おそらく自分もそうだったのでと思いますが、動きがカクカクと通信状態の悪いスマホ画像の様だったり、力のバランスが崩れているようだったり、せっかくの作業が無駄になっていたりと感じることがあります。



今回は、初心者が気を付けるべきクワの使い方について、ひも解いてみたいと思います。




〇農具とは

農具とは、農作業をラクにおこなうために人間が工夫をして作り出してきたものです。

産業革命が人間の文明を飛躍的に発展させたとの歴史的事実がありますが、農具の発明と普及が収穫の増大ともたらし、食糧の安定供給・人口拡大の要因になったことは間違いないことでしょう。


農具と大げさに言いますが、作業で使用されるものは、日常生活で当たり前に使用しているものがたくさんあります。割りばしに名前を書いて名札代わりにするなど、物を大切にする精神も大いに盛り込まれています。農具の目的は早く楽に仕事が進められるようにするものですから、道具に使われることのないようにしていきましょう。


〇農具の種類

農作業で、使う道具はたくさんあります。カッター、はさみ、ひも、メジャー、支柱、防虫ネット、カップ、噴霧器、ホース、ジョーロ、篩(ふるい)、スコップ、三本鍬、鍬、マルチ、マルチ止め、穴あけ・・・


こられの道具は、農作業を楽にできるように工夫してできたものです。お百姓さんは、百の姓(かばね)=たくさんの職業を持った人ということで、あらゆる知識をもち、あらゆることに長けている、知恵のある人が本当の意味で百姓ということになります。


今回は土を掘り起こしたり、耕したりする鍬に焦点をあてて、百姓のしごとを解説をしてみます。





〇農具の歴史

人間は狩猟型生活から農耕型生活に変わることで、一か所に定住し将来の算段をしながら安定した生活を営むことができるようになってきました。


狩猟では、獲物を捕るためのこん棒や矢じり、肉や皮を裁断するための刀剣類などが主な道具でしたが、定住して土地を開墾するようになると、斧や鋸、鋤や鍬などが必需品になってきます。


鋤はスコップと同じように土を掘り起こすための道具です。トランプのスペードを逆さにしたような形をしており、スペードの語源になったという俗説もあります。スペードは貴族の剣が語源だという説の方が有力のようですが、私は農具説をとりたいです。トランプはお遊びで貴族の暇つぶしのゲームなのかもしれませんが、古くから人間の習慣に基づいていたものの方が人々への認知には好影響だろうと思うからです。


〇クワの種類

鍬にもいろいろな種類があり、三本鍬(備中鍬)、開墾鍬、畝上鍬、平鍬など身近なものだけでも様々です。ステンレス製のものから鉄製、鍛造を加えたものなど材質も様々です。家庭菜園では、平鍬が一本あれば、ほとんどの作業ができます。

・20㎝~30㎝くらいは土を掘り起こすことができる

・畝の形を整えることができる

・土寄せができる

・地表の雑草の削り取りができる。

・整地ができる

・・・などです。家庭菜園や農作業では欠かせないツールです。




〇クワの扱い方

鍬の構え方は、利き腕でないほうの手を支点にして利き腕でコントロールすることです。利き腕では鍬を持ち上げて離すだけで重力が仕事をしてくれるのですが、利き腕に働いてもらいたいという意図が働くのか、力いっぱい地面にたたきつける人を目にします。


美園ファーマーズ倶楽部のスタッフや参加者にも、力をめいっぱいいれて鍬を振りかざす人もいます。全力で鍬を振るうのもそれはそれで楽しいので否定はしませんが。


振り上げれば落ちる。落ちれば重さで土に食い込む。引いてあげれば土をかき分け砕ける、と意識しましょう。作業姿勢は直角ではなくて並行です。並行に位置をとることで移動作業をスムーズに行うことができ、土に入った鍬を効率的に移動させることができます。


畝のベットを作るときも地面に直角に立てるのではなく、畝に並行して土を削り取るのがコツです。「削ぐ」というイメージが近いかもしれません。




足をカニのように横歩きすれば、ひもを張らなくてもまっすぐに土起こしも畝の形も作ることができます。このように人の動作と物理の力を考えて作業をする、知恵を働かすのが百姓の本筋です。


道具に使われるのではなくて、道具を使いこなしましょう。慣れるまでは素振りのようにたくさん鍬を扱って、慣れましょう。豆ができるほど頑張らなくて構いません。支点で押さえて利き腕で移動させるだけです。


実際の動きを見ないとイメージができない人は、ぜひ畑へおいでください。練習場はたくさんありますので、すぐ上達しますよ。



というわけで、今日は鍬の使い方についてのお話でした。
そではまた。

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