皮の色が違う数品種のさつまいもと切り苗を並べたところ

さつまいもは品種で育て方が変わる?紅はるか・紅あずまなど5品種を比較

2026年9月22日(火)

さつまいもは品種で育て方が変わる?紅はるか・紅あずまなど5品種を比較

農業コラム|さつまいもの品種と育て方

さつまいもの育て方は、品種が違っても基本は同じ。変わるのは4つだけです。

苗売り場に紅はるか、紅あずま、シルクスイートと札が並ぶと、品種ごとに育て方を覚え直さないといけない気がしてきます。美園ファーマーズ倶楽部(MFC)の畑で紅あずまを植えて掘るまでを体験に組み込んできた経験に、農研機構や県の栽培指針を読み合わせると、変えるべき場所は思っていたより少なく、しかもはっきりしていました。

扱うのは、紅あずま・紅はるか・シルクスイート・パープルスイートロード・紅赤の5品種で育て方が変わる点、関東平地の家庭菜園を前提にした共通の手順、そして品種で変わる収穫日と保存の考え方です。
皮の色が違う数品種のさつまいもと切り苗を並べたところ

さつまいもの育て方は品種で変わる?基本は共通、差が出るのは4つ

土づくり・植え付け・水管理の基本はほぼ共通

青果用のさつまいもは、紅あずまでも紅はるかでも、植え付けから収穫までの基本の手順は同じです。農林水産省が示す栽培の目安は、地温が18℃以上になってから苗を植え、日当たりと水はけがよく土はやせ気味の場所を選ぶこと。植え付けから120日ほどで収穫、というのも品種を問わない数字です。

肥料の考え方も共通です。埼玉県の施肥基準(2025年1月改定)では、さつまいものマルチ栽培は10aあたり窒素2kg。カリはその10倍の20kgで、全量を元肥にして窒素過多に注意するよう書かれています。窒素が多いと葉とつるばかり茂って芋が太らない「つるぼけ」になるためで、これはどの品種でも起きます。

品種ごとに変わるのは「苗の伸び・早さ・病気・貯蔵」の4つ

品種で差が出るのは、苗やつるの伸び方、芋が太るまでの早さ、病気や線虫への強さ、掘ったあとの貯蔵性の4つです。関東の主産地である千葉県の栽培指針(2023年3月)を読むと、この4つは品種ごとに評価が分かれていて、逆に畝の高さや植え方の指示は品種で分けられていません。埼玉県が公開しているのは施肥基準だけなので、品種ごとの癖はこの産地の指針を頼りにしています。

紅あずまは苗の増殖率が高く育苗が容易とされる品種で、紅はるかは同じ指針に、紅あずまに比べて苗の伸びが遅く芋の肥大も比較的遅いので早掘りに向かないと書かれています。全工程を覚え直す必要はありません。この4つのどこに自分の品種の癖があるかを知っておけば足ります。

01
苗・つるの伸び
紅あずまは旺盛、紅はるかはゆっくり、シルクスイートはその中間。植え付け後の見た目の差はここから出る
02
収穫までの早さ
紅あずまは早く太り、遅掘りすると条溝が出る。紅はるかは肥大が遅く早掘りに向かない
03
病気・線虫への強さ
紅はるかはネコブセンチュウに強い。シルクスイートはつる割病に弱い。紅あずまは黒斑病に弱い
04
貯蔵性
紅はるかは貯蔵が易しく、紅あずまはやや苦手。シルクスイートは3週間ほどで粘質に変わる

家庭菜園で育てたい5品種の違いを一覧で

表は農研機構と日本いも類研究会の品種詳説、産地の指針、育成元のカネコ種苗の公開資料から、育てる人が気にする項目だけを抜き出したものです。味の違いと焼き芋の作り方はさつまいもの品種と選び方で書いたので、この表は栽培に関わる差だけにしました。

家庭菜園で育てたい5品種|栽培に関わる違い
紅あずま
登録名ベニアズマ・1984年
食感:ホクホク
生育:早く太る。植え付けから100〜120日で掘る
病気:黒斑病・ネグサレセンチュウに弱い。立枯病には強い
貯蔵:やや苦手
紅はるか
登録名べにはるか・2010年
食感:しっとり系
生育:苗の伸びと肥大がゆっくり。早掘り向きではない
病気:ネコブセンチュウに強い。黒斑病は中〜やや弱
貯蔵:易しい。1か月以上置くと粘質に変わる
シルクスイート
登録名HE306・2018年
食感:しっとり・なめらか
生育:伸びは紅あずまと紅はるかの中間。早掘りにも向く
病気:つる割病に弱い
貯蔵:良好。3週間ほどで粘質に変わる
パープルスイートロード
2002年
食感:紫肉でやや粉質。甘さは控えめ
生育:多収。上いも収量は紅あずまの147%
病気:つる割病に強い。立枯病はやや弱、線虫と黒斑病は中
貯蔵:紅あずまより易しい
紅赤
在来品種・1898年発見
食感:ホクホク。栗のような風味
生育:晩生で収量は少なめ
病気:天候の変化や害虫に弱い
肥料:耐肥性が低い。窒素が多いとつるぼけしやすい
貯蔵:公的資料に評価なし
評価の語(強・中・やや弱・易)は農研機構・日本いも類研究会の品種詳説と栽培指針の表記に合わせています。紅赤は在来品種で、抵抗性の公式な評価表がありません。

紅はるか・紅あずま・シルクスイート|定番3品種の育て方の違い

紅あずま|早めの収穫を意識したい定番品種

紅あずまは植え付けから100〜120日で掘るのが望ましい品種で、遅らせるほど芋が大きくなって縦の溝(条溝)が出ます。1984年に農林水産省の農業研究センターが育成した品種で、初期生育がよく早く太るのが持ち味です。日本いも類研究会の品種詳説には、マルチ栽培で掘り取りが遅れると肥大が進んで外観が悪くなると書かれています。

MFCの畑では2021年に紅あずまを5月下旬に植え、掘ったのは10月半ばでした。日数にすると140日ほどで、目安より3週間ほど長く畑に置いたことになります。株によって大きさが倍以上違い、同じ株から巨大な芋と小ぶりな芋が両方出てきたのは、この遅掘りも一因だったのだろうと今は思っています。芋掘り体験としては盛り上がる一方、揃った芋がほしいなら目安の日数で一度試し掘りをするほうがいい。

貯蔵性はやや劣るとされているので、長く置いて食べる計画より、掘って1〜2か月のうちに食べ切る使い方が向いています。黒斑病とネグサレセンチュウに弱いので連作は避けます。耐肥性は強く、野菜のあとの畑でも育てやすいのは初めての人向きです。

紅はるか|病害抵抗性と保存性のバランスがよい

紅はるかは、味だけでなく病害虫への強さと貯蔵性まで含めて、家庭菜園でいちばん扱いやすい品種だと思っています。2010年に品種登録された農研機構九州沖縄農業研究センターの育成品種で、登録名は「べにはるか」です。農研機構の品種情報では、サツマイモネコブセンチュウ抵抗性が「強」、貯蔵性は「易」。産地の指針でも貯蔵中の腐敗が極めて少ないとされ、翌年8月まで出荷が続く品種です。

掘り上げたばかりのさつまいもを土つきのまま手に持っているところ

「病気に強い品種」とひとくくりにはできません。黒斑病への抵抗性は「中〜やや弱」で、種芋や苗の消毒を徹底するよう注意書きがあります。家庭菜園で切り苗を買う分には黒斑病の持ち込みは少ないものの、掘るときに芋を傷つけないことと、湿った日に掘らないことが対策になります。

紅はるかで注意したいのは初期の伸びの遅さです。指針には早掘り栽培には向かないとあり、植え付けが遅れた年ほど収穫が11月にずれ込みます。同じ指針では北総地域の収穫の晩限を11月中旬としているので、5月中に植えておけば間に合う計算です。掘ってすぐは粉質で、1か月以上貯蔵すると粘質に変わって甘くなるので、収穫後まで含めて楽しむ品種でしょう。

シルクスイート|苗の伸びとつる割病に注意

シルクスイートは基本の栽培は紅はるかと同じで、差が出るのは苗づくりとつる割病の対策です。カネコ種苗が育成し2018年に「HE306」の名で品種登録された品種で、育成元の資料にはつる割病に弱いので登録農薬で苗の茎の部分を浸漬処理してから植えるよう書かれています。産地の指針でも、育苗床や畑の土壌消毒と切り苗の消毒を確実に行ったうえで栽培する品種とされています。

MFCの体験で使う畑は農薬と化学肥料を使わない方針なので、育成元の推奨をそのまま当てはめられません。できるのは予防で、しおれや変色のない元気な苗を選ぶ、前年にさつまいもを植えた場所を避ける、水はけを確保する、の3つです。つる割病は土に残る菌が原因の病気なので、一度出た畝には翌年植えないのがいちばん効きます。農薬を使う方は、植える時点の農薬登録の内容を確かめてから使ってください。

苗やつるの伸びは、指針の表現を借りると紅あずまと紅はるかの中間です。育苗するなら日中30〜35℃と高めに管理して水をたっぷりやるよう指針にあり、切り苗を買う家庭菜園でも、細く弱った苗より節が詰まった太い苗を選ぶ理由がここにあります。貯蔵3週間ほどで肉質が粘質に変わって糖度が上がるので、紅はるかより早く食べ頃が来る品種でもあります。

! つる割病が出た畝には、翌年さつまいもを植えない
つる割病の菌は土の中に残り、埼玉県の施肥基準でも連作地ではつる割病・立枯病が増えるため土壌消毒を行うとされています。薬剤を使わない家庭菜園では、その畝を1年以上休ませて別の野菜を入れるのが現実的な対策です。シルクスイートと、産地の指針でつる割病に特に弱いとされるベニコマチは、この条件を守れる畝にだけ植えてください。

パープルスイートロードと紅赤|個性派2品種は何が違う

パープルスイートロード|多収だが病気に万能ではない

パープルスイートロードは、農研機構の育成地での上いも収量が紅あずまの147%と多収の紫いも品種です。2002年に農研機構作物研究所が育成し、食味は「中」で、紫の品種としては良食味とされています。皮は濃い赤紫で肉は均一な紫。切ったときの色は、写真映えという意味で他の4品種にない魅力です。

半分に切った紫いもの断面。パープルスイートロードのような紫肉品種のイメージ

病害虫対策が不要な品種ではありません。農研機構の資料では、つる割病には強いものの、立枯病は「やや弱」、ネコブセンチュウと黒斑病は「中」です。産地の指針には、芋の表面にリング状の線が浮き出る「皮目」という症状の主因が湿害で、肥大期の集中豪雨のあとに出やすいと書かれています。紫いもに限った話ではないのですが、収量の多さに期待して植えるなら、その分だけ排水の悪い場所を避ける価値があります。

紅赤|さいたま市生まれの品種は肥料で差が出る

紅赤は1898年に現在のさいたま市浦和区、当時の木崎村で農家の山田いちさんが見つけた品種で、浦和美園から見れば同じ市内で生まれた芋です。栽培していた「八房」の畑で偶然見つかった変異で、大正から昭和初期には埼玉県内のさつまいも作付面積の約9割を占めたと、さいたま市の紹介ページにあります。

育て方で違うのは肥料への反応です。産地の指針は、紅あずまや紅はるかのような主力品種が耐肥性を持つのに対し、紅赤や高系14号のように古くから作られてきた品種は耐肥性が低く、前作の残った窒素や施肥の窒素が多いとつるぼけや形の乱れが出やすいとしています。窒素の目安も、主力品種が10aあたり3kgを基本にするのに対し、紅赤は前作の草勢を見て1〜3kgと控えめです。連作や緑肥のあとが向くとされ、野菜の跡地にそのまま植える紅あずまの感覚では育ちません。

主力品種
紅あずま・紅はるか・シルクスイート
  • 耐肥性があり、野菜の跡地でも育つ
  • 窒素は10aあたり3kgが基本(産地の指針)
  • ウイルスフリー苗が流通し、苗の入手が容易
在来・古い品種
紅赤・高系14号
  • 耐肥性が低く、残った窒素でつるぼけしやすい
  • 窒素は前作の草勢を見て1〜3kg
  • 連作や緑肥のあとの畑が向く

収量が少なく天候の変化や害虫に弱いため大変栽培が難しい、というのが川越市の説明で、同じ指針も晩生で耐肥性が劣るので良品を作るには篤農技術が要ると書いています。「どこでも簡単」とは書けない品種です。それでも市内には「さいたま市紅赤研究会」があって栽培が続いていて、いつか浦和美園の畑で紅赤を他の品種と並べて育ててみたいと思っています。

家庭菜園でさつまいもを失敗なく育てる共通の手順

苗はいつ植える?地温18℃を超えてから

さつまいもの苗は地温が18℃以上になってから植えるのが農林水産省の目安で、関東など東日本では5月初めごろからが植え付けの時期です。カレンダーより先に地温を見ます。畝に地温計を挿して朝の値が18℃を超えていれば植えてよく、超えていなければ待ちます。遅霜の心配が残る年は数日待つほうが、早く植えて苗を弱らせるより結果がよい。

さつまいもの苗を植える前に地温計で畝の温度を測っているところ

植える前の苗の扱いも共通です。産地の指針では、切ったばかりのみずみずしい苗をすぐ植えるより、2〜3日冷暗所に置いてから植えるほうが強風や日差しに耐えるとしています。農林水産省の資料も、切り苗を日陰に3〜4日置いて根の元が伸びかけたものを植えるよう勧めています。うちの畑でも、少ししならせた苗のほうが根つきがよいので同じやり方です。MFCで実際に行ったさつまいもの苗植え体験では、この切り苗を高畝の黒マルチに30cm間隔で挿していきました。

黒マルチに開けた穴にさつまいもの苗を挿して、株元を手で押さえているところ

苗は展開した葉が6〜7枚、長さ25〜30cmが指針の基準です。売り場では、葉が黄ばんだ束や茎が細く徒長した束を避け、節が詰まって太い束を選びます。切り苗は品種が違っても見た目がよく似ているので、品種名の札は植える直前まで束に付けたままにしておくのが無難でしょう。

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地温計

地温計(土に挿すタイプ)

さつまいもの植え付けは気温ではなく地温で決めます。朝に畝へ挿して18℃を超えていれば植え付けの合図。種まき全般の発芽適温の確認にも使えるので、1本あると春の判断が楽になります。

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肥料を入れすぎない

さつまいもの肥料は「入れないほうが太る」と覚えておくくらいでちょうどいい。埼玉県の施肥基準では窒素が10aあたり2kgで、カリの10分の1です。全量を元肥にして追肥はしません。前作がナスやトマトのように肥料をたくさん使う野菜だった畑は、残った窒素で葉が茂りすぎることがあるので、元肥は見送るか草木灰程度にとどめます。

POINT
窒素はカリの10分の1
埼玉県の施肥基準(2025年1月改定)では、さつまいものマルチ栽培は10aあたり窒素2kg・リン酸7kg・カリ20kgを全量元肥で。「窒素過多に注意」と明記されています。家庭菜園なら、元肥は草木灰か、カリ寄りの肥料を少しで足ります。

「肥料をたくさん入れれば芋も大きくなる」は、さつまいもに限っては逆です。葉とつるに養分が行き、地下の芋に回りません。MFCの畑でも肥料はほとんど入れず、植え付け前に草木灰を軽くすき込む程度にしています。品種による違いはここにも出て、紅あずまや紅はるかは多少窒素が残っていても耐えますが、紅赤は敏感です。詳しい植え方とつる返しの意味はサツマイモの育て方で書いています。

高畝と黒マルチで排水を確保する

さつまいもの畝を高くするのは、排水と地温の両方のためです。産地の指針では高さ20cm、底の幅40〜60cmのかまぼこ型の畝に黒マルチをかける栽培が一般的で、理由として土中の水分を保ちつつ余分な水を避けられることと、掘り取りが楽になることを挙げています。

さつまいも用の高畝を鍬で作っているところ。手前の畝には黒マルチが張ってある

MFCの畑ではもう少し高く、30〜40cmのこんもりした山にして黒マルチを張ります。畑のある見沼田んぼの一帯は水が抜けにくい低地なので、指針より高くしているのは土質に合わせた調整です。砂地なら20cmで十分でしょうし、粘土質なら高くする。畝の高さに全国共通の正解はなく、雨のあとに畝間へ水が残る時間で決めるものだと思っています。

マルチを張ると地温が上がって活着が安定し、雑草もほとんど生えません。夏の間にすることはつる返しと通路の草削りくらいで、この作業に品種による違いは出ません。

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黒マルチ

黒マルチ(幅95cm・厚さ0.02mm)

高畝にかぶせて地温を上げ、雑草を抑えます。家庭菜園は幅95cm・厚さ0.02mmが標準で、高さ30〜40cmの畝なら山の分だけ余裕を見て長さを選びます。植え穴は30cm間隔で、いぼ竹などで同じ深さに開けると揃います。

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さつまいもの収穫時期と保存は品種に合わせて決める

収穫日は「葉が黄色くなったから」だけで決めない

さつまいもの収穫時期は、葉の色ではなく植え付け日からの日数と品種の特性で決めるのが確実です。農林水産省の目安は植え付けから120日ほどで、関東では10月初めから11月初めにあたります。葉が黄色くなるのは霜や低温のサインでもあって、品種の適期とは別の話です。

植え付け日を記録しておくと、紅あずまなら100〜120日、紅はるかならそれより少し長め、という具合に品種ごとの掘り時が決まります。迷ったら1株だけ試し掘りをして、芋の大きさを確かめてから残りを掘ります。うちの2021年の紅あずまが140日で巨大な芋になった話のとおり、掘り遅れは太りすぎと条溝につながります。

霜が降りる前に掘り終えるのは品種を問わない条件で、関東の産地の晩限は11月中旬です。土が湿った日に掘ると芋に土が付き、皮むけや貯蔵性の低下を招くので、乾いた日を選びます。MFCのさつまいも収穫体験でも、見えた芋を引っ張らず、いちばん下まで掘ってから抜くよう伝えています。折れた芋は貯蔵できません。

保存しやすさも品種選びの基準になる

貯蔵の向き不向きは品種でいちばん差が出る項目で、農研機構の評価では紅はるかが「易」、日本いも類研究会の詳説では紅あずまが「やや悪い」です。シルクスイートは育成元が貯蔵性の高さを特徴に挙げ、パープルスイートロードは紅あずまより貯蔵しやすい「やや易」。同じ日に掘っても、年を越して食べられる品種と、年内に食べ切りたい品種があります。

保存の条件は共通で、農林水産省の目安は土を落とさずに13〜15℃です。家庭では新聞紙や紙で1本ずつ包み、段ボールに入れて玄関や北側の部屋に置くと近い環境になります。冷蔵庫は低温で傷むので入れません。掘って2週間ほど風通しのよい場所に置くと甘みが増すので、MFCの焼き芋体験でも事前に掘って置いておいた芋を焼いています。紅はるかなら1か月以上置くと粘質に変わり、シルクスイートは3週間ほどで変わります。

収穫したさつまいもを紙で包んで段ボール箱に保存しているところ

迷ったら「食べたい味」と「畑の条件」で選ぶ

品種選びは、食べたい味を先に決めてから畑の条件で絞るのが早道です。畑の条件で見るのは3つで、排水が悪ければ畝を高くし、前作の肥料が多かった畑では紅赤を避け、前年につる割病が出た畝にはシルクスイートを植えません。

CHECK LIST 品種で迷ったときの選び方
1ホクホク系を秋のうちに食べ切りたい → 紅あずま。植え付けから100〜120日で掘る
2しっとり甘い芋を、保存しながら年明けまで食べたい → 紅はるか。5月中に植える
3なめらかな食感を早めに楽しみたい → シルクスイート。つる割病が出ていない畝に
4紫色の芋を育てたい → パープルスイートロード。排水のよい場所で
5さいたま市ならではの品種に挑戦したい → 紅赤。肥料を控えた畑で

いちばん確実なのは、同じ畝に2品種を並べて植えて比べることです。苗は10本単位で売られているので、紅あずまと紅はるかを10本ずつ、同じ日に植えて同じ日に掘る。それだけで、この記事に書いた伸びの差も肥大の差も、自分の畑の数字になります。植えて、育て、掘るところまで通してやってみたい方は、MFCのちょこっと農業体験で浦和美園で実際に野菜づくりを体験することもできます。開催時期によって栽培する野菜は異なります。

おすすめアイテム
紅はるかの苗

さつまいもの苗(紅はるか・シルクスイートなど)

切り苗は10本単位の束、ポット苗は1株から苗を増やせるつる取り用が主流です。出回るのは4月下旬から6月で、届いたら2〜3日日陰に置いてから植えます。品種名の札は植える直前まで外さないでください。

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よくある質問

Qさつまいもは品種によって育て方を変える必要がありますか?
基本の手順は同じです。地温18℃以上で植え、肥料は控えめに、高畝で排水を確保する点はどの品種も変わりません。変わるのは苗の伸び・収穫までの早さ・病気への強さ・貯蔵性の4つで、たとえば紅あずまは100〜120日で掘り、シルクスイートはつる割病の出た畝を避けます。
Q紅はるかと紅あずま、家庭菜園ではどちらが育てやすいですか?
手間の少なさなら紅はるかです。ネコブセンチュウに強く貯蔵も易しいので、掘ったあとの失敗が少なくなります。紅あずまは早く太って苗も扱いやすい代わりに、掘り遅れると条溝が出て貯蔵もやや苦手なので、秋のうちに食べ切る人向きです。
Qさつまいもの苗はいつ植えればいいですか?
地温が18℃以上になってからで、関東では5月初めごろからが目安です。切り苗は買ってすぐ植えるより、2〜3日日陰に置いて少ししならせてから植えると根つきがよくなります。紅はるかは肥大が遅いので、5月中に植え終えると11月中旬までに掘れます。
Q収穫したさつまいもはいつから食べられますか?
掘ってすぐより、2週間ほど風通しのよい場所に置いてからのほうが甘くなります。シルクスイートは3週間ほど、紅はるかは1か月以上置くと粘質に変わります。保存は新聞紙に包んで13〜15℃の場所に置き、冷蔵庫には入れません。
参考・出典
※ 本記事は2026年9月時点で公表されている資料にもとづいています。品種の抵抗性や貯蔵性の評価は育成地や産地での試験結果で、畑の条件によって変わります。
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