土のついたさつまいも・じゃがいも・里芋を木箱に並べた様子

さつまいも・じゃがいも・里芋の違い|根と茎で見分ける芋掘りの見方

2026年10月27日(火)

さつまいも・じゃがいも・里芋の違い|根と茎で見分ける芋掘りの見方

農業コラム|さつまいも・じゃがいも・里芋の違い

土の中にできる芋は根か茎のどちらかで根はさつまいもだけでした

さつまいもとじゃがいもと里芋は同じ「土の中の芋」でも育ち方が違い、掘るときに見る場所も食べ比べの楽しみ方も変わります。芋掘りの季節に合わせて農園の目で比べてみました。

扱うのは芋の部位の違いと芋掘りで見る場所と持ち帰ったあとの保存と食べ比べです。
土のついたさつまいも・じゃがいも・里芋を木箱に並べた様子

さつまいも・じゃがいも・里芋の違い|土の中の芋は同じ部分ではない

さつまいもは根が太った芋でじゃがいもと里芋は茎が太った芋です。

掘り上げると三つとも土のついた丸いものに見えるので同じ仕組みで育つと思い込みがちです。ところが体のどこが太ったのかで育ち方も掘り方も保存の仕方も変わります。

地上に出ている部分も違うのです。さつまいもは主にハート形の葉をつけたつるが地をはいます。じゃがいもは茎に葉がらせん状につきます。里芋は親芋から伸びた太い茎に葉をつけるつくりです。畑で葉を見れば地下にどの芋があるかの見当がつくでしょう。

三つの芋が太る場所
さつまいも根。葉柄の付け根から出た太い根が太る
じゃがいも茎。地下の茎から伸びたストロン(わき芽)の先が太る
里芋茎。親芋に子芋がつき子芋に孫芋がつく
※ 出典:さつまいも=農林水産省・川越市/じゃがいも=農林水産省/里芋=農畜産業振興機構・富山県

さつまいもは根が太った芋

川越市の解説ページ「食べているのはどこ?」はさつまいもを形の上で葉とつると根の三つに分けています。根はさらに塊根とゴボウ根と細根に分かれて食べているのが塊根です。ゴボウ根は塊根にまで育ちきれなかった根で細根は養分や水分を吸う細い根です。

農林水産省のこども向けページ「サツマイモができるまで」では根を吸収根と不定根に分けています。吸収根は苗の切り口の近くから出る細い根で水や肥料を吸い上げます。不定根は葉柄の付け根から出る太い根でこれが太ってさつまいもになります。

さつまいもは種をまかずに苗を畑に植えて育てます。農林水産省は地温が18℃以上になってから植えるとしています。西日本では4月の終わりごろが目安です。東北では5月の終わりごろまでに植え終えるそうです。早すぎても遅すぎても上手に育たないと同じページは書いています。

つるは地をはって6〜7mまで伸びるものもあり葉は6枚ごとに同じ向きにつくと同じページは書いています。掘り上げた芋に細長い根が混じっているときはゴボウ根かもしれません。農林水産省は土が乾いていたり通気が悪かったりするとゴボウ根や細い根になってしまうと説明しています。

軍手をはめた両手で土の中からさつまいもを持ち上げる手元

じゃがいもは茎から伸びるストロンの先が太った芋

農林水産省の「ジャガイモができるまで」によると土の中の茎の部分からストロンというわき芽が伸びます。じゃがいもはこのストロンの先が太ったものです。根はストロンのつけ根から出てきます。葉は茎かららせん状に出て重なり合わないので光が当たりやすいつくりです。

じゃがいもは種いもを植えて育てます。植え付けは地温10℃以上で畑が乾いていることが目安です。芽が10cmほど伸びたら太い芽を2〜4本残して抜くよう農林水産省は案内しています。残した芽が茎になり土の中の茎からストロンが伸びて芋がつくのです。

茎が太った芋は光に当たると緑色になります。農林水産省は家庭菜園でいも部分が地上に出ないよう土寄せをすると案内しています。

里芋は親芋のまわりに子芋と孫芋がつく

農畜産業振興機構の「今月の野菜」は株の中心に親芋があり子芋と孫芋が外側につくと書いています。芽は親芋から上に伸びて太い茎になり葉をつけるそうです。土の中では横に連なるように子芋と孫芋ができます。一般に親芋は大きく子芋や孫芋は小さくて丸い形です。

食べているのは地下茎が太った球茎だと富山県の栽培マニュアルは説明しています。日光に当たって緑化すると規格外になるそうです。里芋は種芋を植えて育てます。種芋の上に親芋ができてその周囲に子芋がつき子芋に孫芋がつくと同じ資料は説明しています。子芋や孫芋が太るための覆土の量が大切だとも書かれています。

掘り上げた里芋の株元。大きな親芋のまわりに小さな子芋がついている

食べる部位は品種で違います。土垂や石川早生は子芋と孫芋を食べる品種で八頭やセレベスは親芋と子芋を食べる品種です。たけのこいものように親芋を食べる品種もあります。

ちょこっと農業体験ファミリープランの第2回では里芋の葉を子どもたちに渡す場面がありました。トトロになった気分でみんなが大はしゃぎだったと記録にあります。里芋の葉の下の土の中では親芋と子芋が連なっています。

芋掘りでどこを見る?つると株元と芋のつながり方で育ち方が分かる

芋掘りは掘る前の葉とつると株元と掘ったあとの芋のつながり方を見ると育ち方の違いが分かります。

掘る前につると株元で何が分かる?

つるや葉の勢いからは芋の太り具合までは分かりません。

農林水産省の「サツマイモを育ててみよう!」はチッソが多いと葉とつるばかりが育って芋が大きくならない「つるぼけ」になると書いています。つるが青々と茂った株でも芋が太っているとは限りません。

目安になるのは日数です。農林水産省は植え付けから120日ほどで収穫できて関東では10月始めから11月始めごろが目安だとしています。収穫前に一度試し掘りをして大きさを確かめる方法も紹介されています。

MFCの畑では2021年に紅あずまを5月下旬に植えて10月半ばに掘りました。140日ほど畑に置いた計算になり株によって大きさが倍以上違いました。紅あずまの掘り時の目安はさつまいもの品種ごとの育て方にまとめています。

じゃがいもの株元で見るのは土の盛り方です。農林水産省の「ジャガイモができるまで」は芽が出て約2週間後の芋が大きくなり始めるころに土寄せをするとしています。植え付けから育て方までは家庭菜園でできるジャガイモの育て方に書きました。

里芋は子芋と孫芋が太る時期に合わせた土寄せが大切だと農林水産省の野菜栽培技術指針は書いています。この時期に干ばつに遭うと大きな減収になるそうです。農園で見るなら三種とも株元の土がどれくらい盛られているかを比べると育て方の違いが分かります。

掘る前と掘ったあとで写真を撮っておくと比べやすくなります。掘る前に撮るのは株元と葉とつるの広がりです。掘ったあとは芋と茎のつながりが見えるように並べて撮ります。同じ位置から撮れば株の大きさと芋の数の対応を後から見直せます。

掘り進めると芋はどうつながっている?

掘り進めると芋がどの部分から太ったかがそのままつながり方に出ます。

掘り進めたときの芋のつながり方
さつまいも葉柄の付け根から出た太い根が芋になっている
じゃがいも株元の茎から伸びたストロンの先に芋がつく
里芋親芋の横に子芋がつき子芋の横に孫芋がつく

掘り上げたじゃがいもに細い茎のようなものがつながっていたらそれがストロンです。里芋は親芋が大きく子芋と孫芋が小さいので並べると大きさの順に血縁が見えます。

傷をつけにくい掘り進め方は?

掘り方は作物と農園の指導によって違います。共通しているのは芋に傷をつけない扱いです。

資料にある掘り方と扱いの注意
さつまいも皮はやわらかく傷つきやすい。鎌でつるを付け根から切って軍手で手で掘る。3本刃のくわが掘りやすい
じゃがいも十分に熟してから収穫して傷をつけない。干すときは長時間日光に当てず乾いたら暗く涼しい場所へ
里芋今回確認できた公的資料に掘り方の手順はなかったので農園の指導に従う
※ 出典:さつまいも=農林水産省「サツマイモを育ててみよう!」/じゃがいも=農林水産省「じゃがいもによる食中毒を予防するために」

体験農園では道具の使い方も掘る位置も当日の説明が優先です。質問があれば掘り始める前に農園の人に聞いておくのがいちばん確実です。

ホクホクとねっとりの違い|食感は種類より品種で変わる

さつまいもにもじゃがいもにも里芋にもホクホク系とねっとり系があり食感は種類より品種で分かれます。

三つの芋の食感は品種でどう分かれる?

同じ種類でも品種を変えると食感が反対になることがあります。

品種で分かれる食感の例
さつまいも紅あずま=ホクホク/紅はるか=しっとり
じゃがいも男爵薯=粉質でホクホク/メークイン=粘質で煮崩れしにくい
里芋石川早生=粘りが強い/土垂=煮崩れしにくくホクホク
※ 出典:さつまいも=MFCの過去記事/じゃがいも・里芋=農畜産業振興機構「今月の野菜」

里芋はねっとりという印象に反して土垂は煮崩れしにくくホクホクした食感と農畜産業振興機構は書いています。石川早生は粘りが強く皮ごとゆでる「きぬかつぎ」に向くそうです。旧暦8月15日の芋名月に供える里芋としても知られています。

さつまいもは同じ品種でも置く期間で食感が変わります。紅はるかは掘ってすぐは粉質で1か月以上置くと粘質に変わると千葉県の栽培指針をもとにさつまいもの品種ごとの貯蔵性に書きました。品種ごとの食感はさつまいもの品種と選び方でホクホク系とねっとり系に分けています。

じゃがいもの品種ごとの食感と用途はじゃがいもの種類・品種一覧にまとめています。

半分に切ったさつまいも・じゃがいも・里芋の断面を並べた様子

焼く・蒸す・煮るはどう選ぶ?

焼く蒸す煮るの選び方は品種の煮崩れしにくさと加熱の温度で考えると決めやすくなるでしょう。

粘質で煮崩れしにくいメークインや土垂は煮込みに回しやすい芋です。粉質のホクホクしたものは崩れる食感を楽しむ料理に向きます。

さつまいもを焼くときは温度が鍵です。焼き芋は中心の温度が60〜75℃の範囲をゆっくり通るあいだに甘みが出やすいことを焼き芋の作り方で書きました。

じゃがいもは冷蔵庫で長く置くと糖分が増えて揚げると焦げやすくアクリルアミドもできやすくなると農林水産省が案内しています。小さいものや傷のあるじゃがいもは水を使って高温になりすぎない煮る・蒸すがすすめられています。

里芋は洗って皮ごとゆでると皮が簡単にむけると千葉県の「旬鮮図鑑」にあります。皮をむいたあとに塩もみをするとぬめりが取れて味がしみ込みやすくなるそうです。

食べ比べは何をそろえる?

食べ比べは大きさと火加減と時間をそろえて順位は付けずに記録だけ残します。

STEP 1
同じ大きさに切る
三種とも同じ大きさにそろえて切ります。
STEP 2
同じ鍋で同じ時間ゆでる
水の量と火加減を変えずに同じ時間加熱します。
STEP 3
竹串の通りを見る
竹串が通った時間と見た目を記録します。
STEP 4
食感を一言で書く
収穫日と食べた日も一緒に書きます。

食べ比べるなら品種名が分かっているほうが記録になります。持ち帰る前に農園で品種を聞いてメモに書いておきます。

順位を付けないのは甘さや食感の感じ方が人によっても品種によっても調理によっても変わるからです。収穫から食べるまでの日数を書いておくと紅はるかのように置いて変わる品種の違いが分かります。

持ち帰った芋の保存方法と観察メモ|種類ごとに条件が違う

さつまいもは13〜15℃でじゃがいもは暗く涼しい10℃前後と持ち帰った芋の保存方法は種類ごとに違います。

持ち帰った芋は冷蔵庫に入れていい?

丸ごとの芋は三種とも冷蔵庫に入れずに置くのが各機関の案内に沿った扱いです。

丸ごとの芋の保存の目安
さつまいも土を落とさず13〜15℃(農家の貯蔵)。9℃以下の低温に長く置くと腐りやすい
じゃがいも暗く涼しい10℃前後。20℃以上で発芽や腐敗が進みやすい。冷蔵庫に入れる必要はない
里芋新聞紙に包んで冷暗所。寒さと乾燥に弱く冷蔵庫は避ける(温度の数値は資料になし)
※ 出典:さつまいも=農林水産省/じゃがいも=農林水産省/里芋=千葉県。家庭の室温は季節で大きく変わるので置き場所は様子を見て決めてください。

さつまいもとじゃがいもの目安には3〜5℃の差があります。同じ箱に入れて同じ場所に置くとどちらかの条件に合わなくなるでしょう。

じゃがいもは光に当たると天然毒素のソラニンやチャコニンが増えるので暗さが欠かせません。農林水産省は芽を根元まで取り除き緑色の部分は周囲も含めて深くむくよう案内しています。加熱しても毒素は減らないので子どもと調理するときは大人が取り除いてください。新じゃがは水分が多くて皮が薄く緑色になりやすいため長期保存に向きません。

さつまいも・じゃがいも・里芋と虫眼鏡のそばで白紙のノートに鉛筆を構える手元

切ったあとや調理後の芋はどうする?

切ったあとの芋は日持ちを示す公的資料を今回確認できなかったので当日中に食べ切る前提にしてください。

じゃがいもは切ったあと水にさらすと加熱でアクリルアミドのもとになる成分が洗い流されると農林水産省が案内しています。同じ資料には小さく切りすぎないよう注意も添えられています。

ゆでた里芋は水気を取ってラップに包めば冷凍保存できると千葉県の「旬鮮図鑑」にあります。

親子で作る芋の観察メモには何を書く?

CHECK LIST 芋の観察メモに書くこと
1葉の形と大きさ(さつまいもは主にハート形・里芋は大きな葉)
2株元の様子(土の盛り方・つるの伸び方)
3芋のつき方(根・ストロン・親芋と子芋のどれにつながっていたか)
4芋の形と大きさと傷の有無
5切ったときの断面の色と手触り
6収穫した日と食べた日と調理法
7食べた人の一言(食感を自分の言葉で)

文字が苦手な子には葉の形と芋の形を絵で描いてもらう方法もあります。大人は根か茎か親子かのどれにあたるかを一言添えるだけで十分です。

収穫の日に株元と芋のつながりを書いて保存した日数を数え、調理の日に断面と食感を書くと収穫から料理までが一本の記録になるでしょう。

芋掘りの前は三つとも同じ土の中の芋だと思っていました。根か茎か親子かで分けて見ると掘る場所も置く場所も食べ比べの条件も別の話になります。この記事に実食の感想は入れていません。食べ比べの答えはお子さんと一緒に付けた記録のなかにあるはずです。

参考・出典
※ 本記事は2026年10月時点で公表されている資料にもとづいています。実食の感想とMFCでの里芋・じゃがいもの栽培記録は含まれていません。
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